高血圧症
高血圧は自覚症状がほとんどないので、自分では気がつきにくく、放置されることが多い病気です。
高血圧を放置すると、動脈硬化がどんどん進行して心臓の病気(狭心症や心筋梗塞)や脳卒中などの発作を起こす危険があります。
当クリニックでは、まずは患者様ご自身に自宅でのこまめな血圧測定をお勧めしています。白衣高血圧のように診察室では緊張して血圧が高くなる人でも、家庭での血圧が正常であればすぐに治療を始める必要はありませんが、普段から血圧が高い人は早めに治療を開始することが大切です。
まずは食生活の改善(塩分控えめの食事など)や適度な運動など、生活習慣の改善による治療を開始しますが、それでも改善がみられない場合や重症度が高い場合には、患者様に合った降圧薬(血圧を下げるお薬)による内服治療を行います。
よくあるご相談・お悩み
⾼⾎圧症のよくある質問
Q. :⼀度、降圧剤を飲み始めたら⼀⽣やめられない?
⻑期間にわたって服薬を続けていただく⽅もいらっしゃいますが、⾷事・運動療法の継続と服薬により⾎圧が低下してくれば、薬の減量・中⽌が可能な場合もあります。
⽣活習慣病全般に⾔えることですが、⽇頃からライフスタイルの改善を⼼がけ、それを継続することが⼤切です。
Q. 薬の副作⽤が⼼配です。⾎圧が⾼い時だけ、お薬を飲んでもいいですか?
薬を飲んだり飲まなかったりすると⾎圧の不適切な変動がおこり、体によくありません。
薬は必ず医師、薬剤師の指⽰どおりに服⽤し、副作⽤など不快な症状が出てきたら、すぐに相談しましょう。
⾎圧⽬標は「すべての⽅で130/80mmHg未満」に統⼀(⾼⾎圧管理・治療ガイドライン2025とは)
これまで年齢や病気によって異なっていた⽬標が、全年齢で同じ数値に統⼀されました。
| 測定場所 | ⾼⾎圧と診断される値 |
| 診察室 | 130/80 mmHg以上 |
| 家庭(⾃宅) | 125/75 mmHg以上 |
診察室⾎圧のみでは、診察時の⼀時的な⾎圧値しか把握できないため、診察室での⾎圧が良好であっても、早朝⾼⾎圧など時間帯による⾎圧の乱れを発⾒できないことがあります。家庭で⾎圧を定期的に測定することで、⼀⽇の中で変動する⾎圧を把握できます。特に朝の⾎圧(起床後1時間以内)早朝⾼⾎圧は、脳卒中や⼼筋梗塞の発症リスクも早期に発⾒できるようになります。
基準が明確になったことで、患者さん⾃⾝が⽬指すべき⾎圧の⽬標を理解し、今後は、医師と患者さんが⾎圧⽬標値を共有しながら⾎圧管理を進めることが期待されます。
生活習慣病について
生活習慣病はかつては成人病と呼ばれ、生活習慣(食生活、運動不足、飲酒、喫煙など)の乱れなどにより起こり、動脈硬化症に伴う心臓病・脳卒中・腎障害・動脈血栓症など、重篤な疾患を引き起こす可能性があります。
- 生活習慣の乱れから起こりうる病状・疾患
- 糖尿病、高脂血症(脂質異常症)、高血圧症、痛風発作(高尿酸血症)、心臓病、脳卒中、動脈硬化症、肥満症、肺気腫 など。
よくあるご相談・お悩み
Q. ⽣活習慣の改善が難しいのですが・・・
いきなり⽣活習慣を⼤きく変えるのは難しく、治療の中断につながりやすくなります。
年齢やお仕事によって⽣活習慣はお⼀⼈おひとり異なりますので、個々に合わせた⽬標設定を⾏います。
⾷⽣活や運動習慣を改善しにくい場合は、ぜひ正直にお伝えいただきたいと思います。⼀緒に取り組みやすい⽅法を考えていきましょう。
また、⽣活習慣病のほとんどは無症状のことが多いため、定期的に検査をお受けいただき、数値や画像で「治療の効果」を⾒ることがモチベーション維持につながる⽅も多いです。







